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クラウドファンディングの平均額はいくら?6万5千件のプロジェクトを分析して分かったことを解説

クラウドファンディングの平均調達額は、CAMPFIREで約101万円、Makuakeで約268万円でした。ただしこの平均額に届いたプロジェクトは、どちらも全体の2割しかありません。

募集終了済みの65,168件を集計したところ、中央値はCAMPFIREが約18万円、Makuakeが78万円。平均と中央値がこれだけ開くのは、一部の大型プロジェクトが平均を引き上げているためです。この記事では、実測した分布・成功率・カテゴリ別の差を、集計条件を明示したうえで示します。

公開: 9分で読めます

調達額を調べた理由

クラウドファンディングを始めるとき、最初に知りたいのは「自分はいくら集められるのか」です。ところが調べて出てくるのはたいてい平均額で、それを目安に目標を決めると大きく外れます。平均額に届いたのは、全体の2割だけでした。

しかも平均額は、何件を・いつ・どういう条件で集計したものかが分からなければ、確かめようがありません。最初に立てる前提くらいは、自分の目で確かめられる数字であってほしい。 そう考えて、CAMPFIREとMakuakeで募集が終わった65,168件を自分たちで調べました。

私たちは手数料が定額のクラウドファンディング(Tent)を運営しています。定額が有利かどうかは調達額の大きさで決まるため、この数字は自分たちにも必要でした。ただしこの先の数字は集計結果そのままで、Tentに都合よく選んではいません。

調べた範囲

CAMPFIREMakuake
集計した件数14,334件50,834件
対象募集が終わったプロジェクト募集が終わったプロジェクト
時点2026年8月2026年8月
含めていないもの募集中(金額が確定していない)募集中・金額を公開していない
数字の出どころCAMPFIRE公式サイトMakuake公式サイト

CAMPFIREは公開されているプロジェクトの一部です。全17カテゴリから新しいものを順に見ていき、そのうち募集が終わっていた14,334件を集計しました。金額の大きい順に見ると大型のものばかりが集まってしまうため、新しい順にしています。

Makuakeは公開されているプロジェクトのほぼ全件です。

平均額と中央値

募集が
終わった
プロジェクト

65,168件

CAMPFIRE

平均額

101万円

中央値

18万円

開きは6

Makuake

平均額

268万円

中央値

78万円

開きは3

平均額は少数の大型プロジェクトに引き上げられるため、真ん中の規模を示す中央値とは大きく離れる。

真ん中のプロジェクトが集めた金額は、平均額よりはるかに小さいのです。

平均額は真ん中ではないごく少数の大型プロジェクト上位1%だけで調達総額の33%平均額少数の大型案件に引き上げられた水準中央値ありふれた規模調達額の小さい順に並べる真ん中上位20%
仕組みを示す模式図(実際の1件1件ではない)。少額のプロジェクトが大半を占め、 ごく一部が突出しているため、平均額は中央値よりはるかに高い位置に来る。

調達額の小さい順に並べると、大半は低いところに固まり、右端のごく一部だけが突出します。平均はこの突出に引き上げられるため、真ん中より高い位置に来ます。

平均額に届く割合

平均額を集めたプロジェクトは、2社とも全体の20%でした。5件に1件です。

CAMPFIRE14,334
中央値18万円平均101万円届いたのは上位20%調達額の小さい順に並べる上限300万円(超えた分は切っている)
Makuake50,834
中央値78万円平均268万円届いたのは上位20%調達額の小さい順に並べる上限800万円(超えた分は切っている)
募集終了済みのプロジェクトを調達額の小さい順に並べ、順位2%ごとに1本の柱にしたもの。 全体の半分ほどは床に張り付いたままで、右端で急に立ち上がる。 平均の線を超えているのは色のついた柱=右の2割だけ。

半分ほどは床に張り付いたままで、右端で急に立ち上がります。平均の線を超えているのは右の2割だけ。平均額は「真ん中」ではなく、上位2割だけが届く水準です。

CAMPFIRE14,334
33%37%30%
上位1%上位2〜10%残り90%
Makuake50,834
28%35%37%
上位1%上位2〜10%残り90%
帯の幅は調達総額に占める割合。件数ではなく金額の話で、 CAMPFIREでは上位1%のプロジェクトだけで総額の3分の1を集めている。平均額が上に振れるのはこのため。

CAMPFIREでは、上位1%のプロジェクトだけで総額の3分の1を集めていました。平均額はこの層に引っ張られた数字なので、資金計画の基準には使えません。

調達額の分布

2社は同じ購入型でも、規模の水準が違います。

CAMPFIREは10万円未満が4割を占めます。Makuakeは同じ帯が8%で、山は50〜300万円にありました。

四分位で見ると、下位25%の線はCAMPFIREが約1万円、Makuakeが約31万円。上位10%の入口はCAMPFIREが約202万円、Makuakeが約528万円でした。

カテゴリ別の調達額と成功率

CAMPFIREの全17カテゴリを分けて集計すると、同じプラットフォームでも景色が違いました。

15%30%45%60%1万円10万円50万円音楽テクノロジービジネス・起業成功率調達額の中央値(対数)
CAMPFIREの全17カテゴリ。おおむね右上がりで、集まる金額が大きいカテゴリほど達成もしやすい。 ただしテクノロジーは中央値が中位でありながら成功率が最も高く、この傾向から大きく外れる。

中央値は音楽の約56万円からビジネス・起業の7,000円まで、約80倍の開きがあります。成功率もテクノロジーの60%からビジネス・起業の15%まで約4倍の差がありました。

両者はおおむね連動します(順位相関0.63)。集まる金額が大きいカテゴリほど、達成もしやすい傾向です。

ただしテクノロジーは中央値が約15万円と中位でありながら、成功率は17カテゴリで最も高い60%でした。プロダクトも同じ傾向です。金額の大きさだけで難易度は決まりません。

「クラウドファンディングの成功率は30〜40%」という一般的な説明は、全体を平らにならした数字です。自分のカテゴリの数字を見るほうが、計画の役に立ちます。

目標に届いた割合

目標金額に達したプロジェクトの割合は、CAMPFIREで37%、Makuakeで84%でした。

CAMPFIRE100件のうち37が目標達成

14,334件を集計

Makuake100件のうち84が目標達成

50,834件を集計

1マスが1%。色のついたマスが目標金額に達したプロジェクト。 差が大きいのは掲載までの審査が違うためで、同じ企画をどちらに出しても達成率が変わるという意味ではない。

差が大きいのは、掲載までの過程が違うためです。Makuakeは掲載前に審査があり、実現可能性やリターンの設計が確認されます。CAMPFIREは審査がありますが、より広く受け入れる設計です。

つまりMakuakeの84%は「Makuakeを使えば8割成功する」ではなく、成功しそうなプロジェクトが選ばれて掲載されている結果と読むほうが正確です。同じ企画をどちらに出しても達成率が2倍になるわけではありません。

1円も集まらずに終わる割合

募集が終わった7件に1件は、支援が1件も入らないまま終わっている

CAMPFIREの募集終了済みプロジェクトのうち、調達額が0円だったのは1,995件(14%)。 Makuakeは0円のプロジェクトを含んでいないため、同じ比較はできない。

成功率は「目標に届いたか」の話ですが、その手前に「誰も支援しなかった」という結果が一定数あります。

CAMPFIREから0円の1,995件を除くと、中央値は約18万円から約28万円に上がり、成功率は37%から42%になります。Makuakeと同じ条件で比べるならこちらで、78万円との差は約4倍ではなく約3倍です。

目標金額の決め方

目標金額を平均額から決めないこと。平均額に届くのは2割で、そこを基準にすると8割のプロジェクトが届かない設定になります。自分のカテゴリの中央値を見て、そこから大きく離れていないかを確かめるほうが現実的です。

決め方は逆算です。制作費・リターンの原価・送料を足し、そこに手数料を織り込んだ金額が目標になります。手数料が調達額に対する割合だと、目標を上げるほど手数料も増えるため、割り戻して求める必要があります。定額なら必要額に手数料を足すだけで済みます。

調達額から手取りを試算する

目標を低く置いて達成しやすくする考え方もありますが、達成しても資金が足りなければリターンを履行できません。達成することより、達成して手元にいくら残るかが先に来ます。

手数料との関係

クラウドファンディングの手数料は調達額に対する割合で決まるため、集める額が大きいほど手数料も増えます。

中央値の規模なら数万円です。CAMPFIREの中央値である約18万円なら、17%で約3万円。この規模では手数料の絶対額は小さく、判断を左右しません。

ところが500万円を集めれば手数料は約93万円、1,000万円なら約187万円になります。手数料が判断を左右するのは、分布の右側に入る人だけということです。

手数料率型と定額型の分かれ目

大半のプロジェクトは少額で終わります。いっぽうで、149万円以上を集めているプロジェクトもCAMPFIREに14%ありました。

この2つを分けるのは、支援者を自分で集められるかどうかです。プラットフォームの集客力や担当者の伴走を借りるなら、その費用が手数料に含まれている手数料率型が向いています。すでに届く相手がいて、自分で声をかけられるなら、集めるほど手数料が増える仕組みは重くなっていきます。

私たちが運営しているTentは、後者のために作りました。調達額にかかわらず手数料は定額(20万円・税別)です。集客支援や伴走を持たないぶん、調達額と切り離した価格にしています。

この記事で見た数字と直接かかわる違いが、ほかに2つあります。

1つ目は、支援金をいつ受け取れるか。 他社は募集終了月の翌月末から翌々月10日にまとめて振り込みます。起点が募集終了日ではなく月単位なので、月初に終わると最長で2か月ほど待つことになります。Tentでは支援金がプラットフォームを経由せず、Stripeを通じて支援が入るたびに起案者の口座へ直接入ります。募集の終了を待つ必要がなく、早く受け取るための有料オプションもありません。中央値18万円という規模でも、リターンの原価と送料は先に出ていきます。集める額が小さい人ほど、この待ち時間は重いはずです。

2つ目は、目標に届かなかったときの扱い。 目標金額に達した割合はCAMPFIREで37%でした。TentはAll-in方式で、目標未達でも集まった分を全額受け取れます(受け取った分のリターンを履行する責任は残ります)。

分岐点はCAMPFIREの場合で約149万円。それを下回るなら手数料率型のほうが安く済みます。手数料は審査に通ったあと、プロジェクトの公開前にお支払いいただく形です(審査に通らなかった場合は費用がかかりません)。自分の見込み額を入れれば、どちらが手元に多く残るかを試算できます。

主要7社の手数料比較で試算する

よくある質問

クラウドファンディングの平均調達額はいくらですか。 募集終了済みのプロジェクトを集計すると、CAMPFIREが約101万円、Makuakeが約268万円でした。ただし平均額に届くのは2社とも20%で、真ん中のプロジェクトの金額を知りたい場合は中央値(CAMPFIRE 約18万円 / Makuake 78万円)のほうが実態に近い数字です。

なぜ平均と中央値がこれほど違うのですか。 一部の大型プロジェクトが平均を引き上げているためです。CAMPFIREでは上位1%のプロジェクトが調達総額の33%を集めていました。少数の大きな数字が混ざると平均は上に動きますが、中央値は動きません。

成功率はどのくらいですか。 目標金額に達した割合は、CAMPFIREが37%、Makuakeが84%でした。差が大きいのは掲載までの審査の違いによるもので、同じ企画をどちらに出しても達成率が2倍になるという意味ではありません。

カテゴリによって調達額は変わりますか。 変わります。CAMPFIREの17カテゴリで中央値を出すと、音楽の約56万円からビジネス・起業の7,000円まで約80倍の開きがありました。成功率も15%から60%まで違います。金額と成功率はおおむね連動しますが、テクノロジーのように中央値が中位でも成功率が最も高いカテゴリもあります。

目標金額はいくらに設定すればよいですか。 平均額を基準にしないことをおすすめします。必要な制作費・リターンの原価・送料を足し、そこに手数料を織り込んだ額から逆算するのが確実です。各社の手数料率と手取り額は主要7社の手数料比較のページにまとめています。

この数字は全期間・全プロジェクトのものですか。 違います。CAMPFIREは公開されているプロジェクトの一部で、全17カテゴリから新しい順にたどった範囲の集計です。Makuakeはほぼ全件にあたります。またREADYFORとGREEN FUNDINGは含みません。

出典

集計に使ったのは、各社が公開しているプロジェクト情報です。2026年8月時点の内容で、その後に公開・終了したプロジェクトは含みません。

各社の手数料率・入金時期については、公式の記載をCAMPFIREの手数料Makuakeの手数料の各記事にまとめています。

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